ビズスパ
2021.03.29
オンラインでも大切にし続ける、顧客一人一人との“つながり”——早坂向日葵さん(CANNABIS)
早坂さんがバイヤーを務める「CANNABIS」は、最先端のアパレルショップが軒を連ねるキャットストリートで昨年20周年を迎えた老舗セレクトショップ。“異端児達の集まる場所”をコンセプトとして掲げるとおり、その個性的なセレクトによって感度の高いファンたちから永きに渡り信頼を集めています。
緊急事態宣言下の試行錯誤 何がいちばんツラかった?
「誰も人が歩いていなくて映画の中の世界みたいでした」と早坂さんが振り返る、緊急事態宣言下(2020年4月)のキャットストリート。
CANNABISでもオンラインショップの発送作業等をするためにだけスタッフが出勤し、店舗は休業。しかし常連のお客さんからアポイントがあったときにはお店を開けるような対応をとっていたそうです。
「大変だったけど、やるしかないし」
そう語る早坂さんがいちばんツラいと感じたのは、スタッフとお客さんの直接的なつながりを重視するCANNABISならではのことでした。
「クラブイベントなどに顔を出して、そこでCANNABISの認知を広げていくようなスタッフが歴代働いているお店。自粛によって人に会える場所に行けなくなったのがとてもツラかったです」
オンラインへのシフトで、意外な変化が!
コロナ禍以前はあまりオンラインショップでの販売に注力していなかったというCANNABIS。あくまでもスタッフとお客さんの間の、店舗での直接的な交流を第一に考えてきました。しかし今ではそれも一変。
「どこのお店よりも先に上げることを心がけて、納品されたらすぐアップできる体制を整えています」
<CANNABIS ONLINE STORE>
https://cannabis.official.ec
CANNABISのオンラインショップ
運用やカスタマイズが簡単にできることで評価の高いサービス「BASE」が用いられている
オンラインショップ重視へのシフトチェンジによって、意外な効果も得られました。
「オンラインで買ってくれる人は新規のお客さんが多い印象です。既存のお客さんは欲しいアイテムがアップされるとスタッフに直接連絡をとってくれる人が多いんですが、オンラインショップでは、いままで“ちょっと怖くてお店に行けない”と思っていたような人たちが買ってくれてるのかなと思います」
オンラインでの接客術 具体的な工夫とは?
そうしたなかでの試行錯誤により、CANNABISのスタッフたちはオンラインならではの接客方法も身につけてきました。
問い合わせのあったお客さんと同じくらいの身長のスタッフが着た着用写真を撮影して見せるなど、これからも細かな対応ができるお店になっていけたら、と早坂さんは語ります。
「オンラインでも10〜20万円のアイテムが売れたりと、こちらがびっくりするようなこともあります」
それもCANNABISのスタッフ一人一人が「ネット上をどれだけ盛り上げられるか」という視点に立ち販売促進を考えるようになったことの、具体的な成果と言えるのではないでしょうか。
ウィズコロナ時代の来店客が求めるのは、本当に会いたい人、欲しいもの
最後に、早坂さんに今現在のキャットストリートの様子についても伺いました。
「今までは、目的もなくキャットストリートのいろんなお店に行って流し見するような人たちが多かった印象がありますが、今は『これを見たいから行く』というように目的をもった来店が増えた気がします。
人に会いたくないけど、どうしてもこれだけは見たいから出かける、というような感じ。洋服に対してもそうだし、人に対してもそう。自分が本当に会いたい人だったり求めているものが、より明確になったのかなと思います」
そんなあたりにも、ウィズコロナの時代を生き抜くための大きなヒントが隠れているのかもしれません。
■INFORMATION
CANNABIS
渋谷区神宮前 5-17-24 キャットストリートビルディング 3F
03-5766-3014
OPEN:12:00-20:00
https://www.cannabis.one-o.com
■ ABOUT「ビズスパ」
「ビズスパ」は、コロナ禍においてさまざまな課題を抱えている事業者のみなさまに向けた、withコロナの時代に「ビジネスをパワーアップさせるスパイス」。
渋谷区で頑張っているお店や企業の取り組みや、ビジネスのヒントを紹介するサポートプログラムです。
▶︎「ビズスパ」特設ページ
実行委員長
大西賢治
渋谷区商店会連合会 会長
不要不急の外出の自粛など、皆さんの協力のおかげで最大の危機を乗り越えることができたと感謝しております。しかしながら、カルチャーの発信地でもある渋谷を支える多くの商業や産業は、いまだ大きなダメージを受けています。事業者の方々はこの先に不安を抱きながらも、日々努力と工夫を重ねながら事業を存続できるように頑張っています。みなさんが、安心して渋谷を訪れ、安全に楽しめる街になり、渋谷の街が元気を取り戻すことで、渋谷だけではなく全国の商店会も活気が出ると思っています。渋谷を愛する皆さんのお力をぜひお貸しください。