ビズスパ

2021.03.29

共に生き抜くコロナ禍。同業の横の繋がりの大切さ——古川英士さん(BAR日知屋)

古川さんが店主を務めるBAR日知屋は、渋谷・道玄坂上に居を構えて11年。大通りから一筋入ったところにあり、道玄坂と言っても静かな雰囲気のなかに佇む、常連さんたちに愛されるバーです。

近隣の店舗との互いのつながりも強く、同エリアで“はしご”をする人たちも多いのだそう。
オフィスも多いこのエリア。
「近くの会社の人たちが来てくれますが、10年も経つとその人たちが偉くなって、今度は部下を連れてまた来てくれます」
そんなふうに地域に根ざしてお客さんの拠り所となってきたBAR日知屋。しかしコロナ禍によってどのような変化があったのでしょうか。

 

 

「ノーゲストの日も…」コロナ禍での営業

2020年の緊急事態宣言下では、4月〜5月半ばまでお店を閉じ、学校も休みだったので毎日お子さんと遊んで過ごしていたと振り返る古川さん。やがて営業を再開するも、やはり売り上げは伸び悩み、通常の6割程度にとどまっていると言います。
「『お店を開けますので来てください』と言っちゃいけない状態というのは異常ですよね」
と語る古川さんの苦い表情は、ほかの多くの飲食店の皆さん同様、苦悩や葛藤の日々が続いてきたことを物語っているようです。

 

 

42店舗もの同志が集い、得られたもの

そんななか日知屋は、お隣のお店のご主人からの誘いで、近隣店舗と共同で行なうクラウドファンディングに参加することに。
渋谷の飲食店42店舗が参加したこのプロジェクト。古川さんはこのクラウドファンディングで得たもののひとつとして「(参加店舗同士の)コミュニティが新しく出来たので良かった」と語ります。共に生き抜くコロナ禍。こうした同業の横の繋がりが今あらためて重要になってきているのではないでしょうか。

クラウドファンディングは、国内最大のクラウドファンディングのプラットフォーム『Campfire』を使用し、全店舗を支援するコースと、特定の店舗を指定して支援するコースの2種類を用意しました。開始12時間で目標金額を達成し、最終的に1,200万円以上の支援金を集めてプロジェクトは大成功。その様子は現在でもCampfireのプロジェクトページで見ることができます。当時を振り返り、
「落ち着いたら42店舗で集まって飲みたいね、と言ってたのにまだ出来ていない」
と笑う古川さんにとってはやはり、支援金はもちろんですが地域の繋がりが強まったことにこそ大きな価値が感じられているのかもしれません。

クラウドファンディングを行なった当時のプロジェクトページ|Campfire

 

 

つらい状況下でも前向きに続けるスタンス

これからウィズ/アフターコロナの時代に「未来は読めないです」と語る古川さん。近隣のオフィスではテレワークが主体になっている会社が多いそうで、元来、近隣オフィス勤務の方々の来客も多い日知屋にとってはつらい状況です。
「まあ今後10割復活はなくても、腐らずにやっていけば」。飄々としながらも前向きな姿勢を崩さない古川さんのスタンスには、これからもこの街の夜の楽しさを守ってくれるような頼もしささえ感じられます。

 

■INFORMATION

BAR日知屋
渋谷区道玄坂1-17-9 ヴェラハイツ道玄坂1F
TEL 03-6416-3639
定休日:日曜日・祝日
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13113558/

 

 

■ ABOUT「ビズスパ」
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